将棋棋士対コンピュータの団体戦・将棋電王戦の最終局で事件発生。わずか21手でコンピュータソフトの開発者が投了を宣言してしまった。プロの対局では110手前後が一般的だが、一時間もかからずに終局に。2勝2敗で迎えた最終局でいったい何がおこった?
★今年の将棋界は事件続き?
ハッシーこと橋本八段が禁じ手の「二歩」を犯して反則負けしてしまい、対局会場はとんでもない空気に
また、現役最年長棋士である内藤國雄九段(75歳)が3月12日に現役最後の対局で史上三人目の快挙となる通算1000敗を記録してしまう事件も発生
そんな将棋界に再び事件が発生。今度はわずか21手で対局が終局してしまうという非常に珍しいハプニングが・・・
通常は110手前後の手数が必要だと言われてます
★事件が起きたのは、将棋棋士vsコンピュターの団体戦の最終局
プロ棋士5人と将棋ソフト5つが争う団体戦では、過去2回団体戦を行ったが、いずれも将棋棋士側が負け越している
★実は、電王戦による団体戦は今年が最後
大会を主催している株式会社ドワンゴは、人対コンピュータの団体戦形式を2015年度で最後にすることを発表
2015年の最後の電王戦では、20~30代前半のコンピュータとの対局に強いとされる若手世代から厳選し、「本気で勝ちを取りに行く最強の布陣」で挑んだ
羽生さんらのタイトルホルダーは日程が厳しいため、これまでに出場していない
★電王戦FINALは2勝2敗の五分の戦いに
第1戦目の藤慎太郎五段とAperyとの対局では、コンピュータ特有の攻めに対応し、115手の末に斉藤五段が見事コンピュータに勝利した
第2戦目では、永瀬拓也6段がコンピュータのバグを狙い、角が馬に成れる所で角成らずで王手。コンピュータは角成らずを認識できず、王手を放置してしまい反則負け。2勝目を挙げた
将棋棋士として、将棋ファンのために、将棋棋士側の団体戦の初の勝ち越しは、第5局の阿久津主税八段とコンピュータソフト・AWAKEの一局に委ねられた
★最終局の第五局は、“まさかの”21手で将棋棋士側が勝利してしまった
4月11日に行われた第5局。21手で阿久津8段がコンピュータのAWAKEに勝利して、対戦成績を3対2で将棋棋士側が勝利した
そして、投了したのはコンピュータではなく、まさかのソフト開発者の巨瀬亮一さんが投了宣言。
★なぜ、ソフト開発者が投了を宣言してしまったのか
先手の阿久津八段は、角交換四間飛車から自陣に角を打たせる特殊な作戦に出た
これは、コンピュータソフトのAWAKEが大会出場に先立って、アマチュアと対戦する企画に出場していたが、その際に本局と同じ展開から敗れていた
阿久津八段もソフトを出してもらって3日目か4日目ぐらいにソフトの弱点を見抜いていた
イベントよりも大分前に知っていたよう
奨励会員出身のソフト開発者の巨瀬さんは事前に「もし、この局面になったら投了しようと思っていた」と語っている
★この、たった21手で投了したことにファンは激怒
阿久津8段の28角戦法は以前から知られている有名なハメ手。
実際にアマチュアもそれを知っていて、イベントで指した。奨励会員出身のソフト開発者なら知っている手ではないかという厳しい意見
将棋電王戦 プロのハメ手(罠)にソフトが引っかかり、開発者が怒って投了!開発者は記者会見で逆切れし、プロのハメ手をなじった。でも、それは違うでしょう。将棋に罠はつきもの。それを仕掛け、見破るのが勝負だから。もう一つおまけに開発者の投了は僭越過ぎる! あんたソフトより強いのか?
修正不可ルールは事前に分かっていたこと。28角戦法は将棋ウォーズの対コンピュータ戦術として、前々から知られていたこと。対策しない方が悪い。修正不可ルールのせいではない。 / “電王戦最終局、異例の「21手投了」に至ったAWAKEの…” htn.to/v4eCpq
ソフト開発者の巨瀬さんの「最初から勝ちにはそれほどこだわっていなかった」という発言も問題に
電王戦最終局、異例の「21手投了」に至ったAWAKEの真意は 「一番悪い手を引き出して勝っても意味ない」
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150412-…プロはファンを大事にするもの。こういう人がプロの将棋指しにならなくてよかった。よく興行無視できるよね。悪い手に弱いって弱点だよね。
阿久津さんを手放しで褒められない人がいるのは分かる。でも「最初から勝ちにはそれほどこだわっていなかった」こういうのはやめてほしい <「将棋電王戦」最終局はソフト側21手で電撃投了、3勝2敗でプロ棋士が勝ち越し> nico.ms/nw1539447 #niconews
★ハプニングで終わってしまった将棋電王戦・・・
今回の将棋棋士の3勝のうち2勝がコンピュータのプログラム上のミスを狙うハメ手での勝利
阿久津八段自身もソフトの弱点をつくことに「もちろん葛藤があった」とコメント。どうしても負けられない一戦で勝算が高い戦法を選択
コンピュータとの対局には対策時間が膨大に必要。羽生名人も「もしもコンピュータと戦うなら1年間棋戦を欠場し、コンピュータの研究をする」とコメントしている。
今後もどんな形であれ、電王戦が将棋にとって、人間とコンピュータにとって、新しい驚きをもたらす未来を期待したい