今日本中で大人・子供問わず、空前のブームを引き起こしている「妖怪ウォッチ」、その大ヒットの裏には、製作者日野さんの考えに考え抜かれたキャラクター設定や、販売方法などがありました。大ブームを巻き起こしているクロスメディア戦略についてまとめました
社会的大ヒット!妖怪ウォッチってなに?
妖怪がたくさんいる不思議な町で起こる色々な問題を、仲間の妖怪たちと協力しながら解決していく物語
通常販売のスーパーやコンビニ等でも即完売してしまう程の人気っぷりのようで、そんな環境もあってか転売屋さんががっつり活躍できる環境
社会現象や問題も引きこしています
年末に公開される劇場版アニメの前売り券は、配給会社・東宝の歴史上最高となる72万枚の売り上げを記録している
子供たちだけの世界観、人気の裏側とは?
「妖怪ウォッチ」が子供から支持を集めた理由として、よく挙げられるのが「大人の手あかがついていない」「子供達だけの世界観が楽しめる」という点。もっと直接的な表現を使うと「大人が口出ししない」
自分たちだけの世界が欲しい子供にとって大ヒットした理由のひとつ
ドラえもんのような普遍的な作品をつくりたいと思いました。その時代の子供たちに愛され、長く続くような作品を、一から生み出したい。今の時代を映した設定やキャラクターなどを考えた
子供たちが共感できる点に拘ったそう
トイレの個室に入るのが恥ずかしい、忘れ物をしてしまう、学校に遅刻しちゃう、思わず教室でオナラをしてしまった……などなど、なるほど!「小学生あるある」の悩みをストーリーにした
子供だけじゃなく、大人にも受け入れてもらう大切さ
今の子供なりの社会と真剣な悩みがあって、その悩みを「妖怪」でちょっとバカにして笑い飛ばして肩の力が抜けて楽になる、心にゆとりを作れるゲームにしたかった。
昔の子供の悩みと今の悩みを分析し、掘り下げていった
「普通」と呼ばれている子たちが、いちばん感情移入できる主人公像なんだろうと思った。そこで、妖怪ウォッチの主人公の「ケータ」は、いわゆる普通の子。普通ということが”欠点”の子という設定にした
妖怪ウォッチのコンセプトは、普通の子に受け入れてもらうこと
このゲームは夜になっても家に帰らずにいると圧倒的な強さを持った妖怪に追いかけらる「鬼時間」などのペナルティがあるが、そういうルールは大人にとってみればこれはゲームとして「悪い」ものではないという印象を与えられる
大人にもいかに受け入れられるかを慎重に考えている
考えに考え抜いた、クロスメディア戦略
『クロスメディア戦略』は購買に至るまでの仕掛けの導線をつくるコミュニケーション戦略です。ですから、広告だけでなく、PRやSNS上の口コミなどもクロスメディアには含まれます
開発当初から、コミックやアニメなどの複数メディア展開を見込んだクロスメディアプロジェクトとして進められていました。
現在、妖怪ウォッチのクロスメディア展開に携わるパートナーは9社。テレビ東京やバンダイなどのほかに、広告代理店の電通、音楽ではエイベックス、DVDではKADOKAWAなどとも組む。
売れてからではない、売れる前から仕掛ける「計画型クロスメディア」
ゲームとともにアニメ化やマンガ化、おもちゃやアーケードゲームなどさまざまなメディアを並行して一気に進める「計画型クロスメディア」を実現すれば、ハイリスクながら大きな成果が得られると語った
ゲーム発売と前後して、アニメ放映を開始。それに合わせて、マンガの連載やグッズの販売などを行うというノウハウは、今回の妖怪ウォッチでも存分に発揮
ゲームに企画シナリオのようなものを書いて設定を作りました。ゲームにする場合、アニメにする場合はこうだとメージして、すべて同時に考える。だから、おもちゃも最初の基礎設計の段階でメダルと妖怪ウォッチという仕組みはありました
数々のゲームを大ヒットにした、凄腕経営者「日野晃博」
日野晃博は、制作管理能力やゲームディレクター、アイディアマンとしての手腕に定評があり、中堅会社でありながら自社をヒット作を次々と出すまでに押し上げた凄腕の経営者
主な代表作として、ドラゴンクエストⅧ、『レイトン教授シリーズ』や『イナズマイレブン』シリーズなど
ゲームに慣れておられないお客さんが迷わないようにするために、従来のゲーム的にはあり得ない構造を意図的に選んでいる
RPGで次の指示を先にだすなど、ライトユーザーに配慮した製作を行った
クリエイタ―が調子に乗って、凝るほどに売れない作品になってしまう為、一貫して「ユーザー視点を持つこと」、つまり「ターゲットを決めて、そのターゲットが喜びそうなことを想像しながら作る」ということを心がけた、
僕がいつも企画を考えるときは、「ヒットするなと思ったから」というのが前提なので、終わった後にヒットの要因と聞かれると、答えるのが難しい
考えに考え抜かれたからこそ、なんでしょう
クロスメディアで商品を一気に市場に出すことで、一番の相乗効果を生むということ。それがポイント
コンテンツを重視し、それを一度に出すことで爆発的ヒットを仕掛けた