海外のWeb漫画 あれこれ

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海外のWeb漫画から、気になっている作品や関連サイトをあれこれピックアップ。 (旧称「海外Webコミック覚え書き」 on Google Notebook) … 1/14 「当世海外Web漫画事情 (2)」を追加。文字ばっかりで、ホントすみません。こんなのに興味を感じてくれる人が果たしているんだろうか

■ ■ はじめに … 海外Web漫画の読み方 ■ ■

…別に難しくはないのですが、最初は「どこからどう読むの?」と戸惑うかもしれないので。

■ ■ 最初のページから読むには ■ ■
海外のWeb漫画サイトは、トップに最新のページをドーンと掲載したレイアウトになっていることが多々あります。初めて読むWeb漫画の場合は、最初のページを探さなければなりません。

1. << (2つ重なった矢印)や”First (Page)”と書かれたリンクを探す
たいていのサイトには、最初のページに移動するためのリンクが画面左寄りに用意されています。これならワンクリックで最初のページから読むことができます。

2. “Archive”と書かれたリンクを探す
“Archive”とは「書庫」の意味。各ページへのリンクが掲載された「総目次」のような存在です。途中から読む場合も、”Archive”からリンクをたどるとよいでしょう。”Archive”ではなく”Comic”などの表記になっていることもあります。

また、ページ移動のリンクは、日本漫画(セリフが縦書きの漫画)とは逆向きになるので注意。

■ ■ 読んでみたいけど英語わかんない… ■ ■
英語が比較的読みやすいところは、紹介文にその旨書いておきますので、ご参考に。中には、ほぼセリフなしのところもあります。
好みに合う作品があれば、「考えるな、感じるんだ」の言葉を胸に、その作品を追いかけてもらえれば嬉しい限りです。

■ ■ テマエミソ ■ ■

まずはテマエミソですが、拙訳のWeb漫画を2つ。

■ ■ 当世海外Web漫画事情 (2) ■ ■ [NEW]

--前回のあらすじ--
海外Web漫画の入り口となるサイト。昔は「ランキング」や「ポータル」が主流だったが古びた。それに代わって、コミック専用のホスティング・サービスが出てきたけれど…
--あらすじ終わり--

■ ■ コミック専用ホスティング・サービスから自前サイトへ ■ ■

コミック専用ホスティングは、今でも健在ではあるのだが、ひと頃のように隆盛ではない。

その理由のひとつは、自前のWeb漫画サイトを立てるのが簡単になったこと。

…読みやすく更新もしやすいWebサイトを作るというのは、実はなかなか難しい。作るだけならよいが、サイトは更新してナンボ。
従来型のサイトだと、ページ間のリンクや目次ページの更新を手作業で行うことになり、手間はかかるしミスも生じやすくなる。だからと言って一般的なブログを使うと、更新は楽かもしれないが、漫画としてページを追いづらい構成になりがちである。

コミック専用ホスティングが流行ったのは、このあたりの悩みを一気に解消してくれるからだ。しかし、WordPressを使える安価なホスティング・サービス(レンタル・サーバー)が増えたことで事情が変わってきた。

WordPressというとブログのイメージが強いが、実際はかなり柔軟にサイトを作成できるツールだ。これにWeb漫画用のプラグインを組み合わせることで、管理/運営が容易で、読みやすいWeb漫画サイトを作り上げることができる。

以下に、WordPressでコミック系サイトを作るための、代表的なプラグイン2種を挙げておく。

…実は、これらプラグインも使いこなすとなるといろいろ学ばなくてはならず大変なのだが、最初に頑張って要領を飲み込み、サイトを立ち上げてしまえば、以後の更新はすこぶる楽になる。

比較的簡単に、比較的安価に自前のサイトを作れるようになると、自由度に劣るWeb漫画専用ホスティングサービスを使う人は相対的に減っていった。漫画に自信があったり、自分の世界観を大事にする人ほど、独自にサイトを立てる傾向は強くなる。

■ ■ プロ/セミプロの進出 ■ ■

簡単にWeb漫画サイトを作れるようになった影響もあってか、海外Web漫画界隈では近年、プロやセミプロが個人でサイトを運営する例が目立つようになってきた。
もちろん誰でもサイトの一つや二つは持っている時代だが、単なる名刺代わりのホームページではないケースが増えている。

ケース1: 出版の見込みがない作品をWebで発表する
現在の不況下、出版社は冒険をしたがらず、自費出版もコスト的に厳しい。アイディアを埋もれさせておくよりは収益度外視でWeb公開…という流れ。モチベーション的にはアマチュアのWeb漫画と似ている。もちろん作品に力があれば、書籍化など新しい展開が開けることもあり得る。

ケース2: 出版予定の作品をプロモーションする
出版を予定している作品を、プロモーションを兼ねて、Web漫画として公開していく。公開するさじ加減はさまざまで、出版後もそのまま全編を公開、出版後は最初の数話だけ公開、そもそも数話しか公開しない、などなど。この辺りは各人各社、試行錯誤しているようだ。

ケース3: クラウド・ファンディング、デジタル出版など新しい流れに乗る
最近増えつつあり、注目に値するのが、最初からネットを主戦場とするWeb漫画。収益度外視とか出版前提とかではなく、Webでファン層を掘り起こし一定の人気を獲得することで、Paypalからの寄付で対価を得たり、クラウド・ファンディング等を使って書籍やグッズなどを出していく。また、作品づくりにもネットやデジタルのトレンドを活用していく。

ケース3の「新しい流れ」をはっきりと意識して作られたWeb漫画が reMIND http://www.remindblog.com/ だ。
SFテイストの手堅くまとまった作品もさることながら、”Making Graphic Novels”のタグがついたブログ記事 (下記リンク) が非常に面白い。

この一連の記事、ザッと主だったところだけでも、

 デジタルでの漫画の作成方法、外注の仕方、フォント選び、
 どのように宣伝するか、どのようにお金を稼ぐか、時間の管理、
 1000人の忠実なるファン、Web漫画を始める前に、ファン層を拡大するために、
 出版時のエージェント選び、印刷業者をどう選ぶ、資金調達、…

…などなど興味引かれる項目がズラッと並ぶ。これだけ戦略的にやれば、紙の書籍を出すなどもしつつ、Web主体で十分やっていけるんだなと。Web漫画に限らず、これからのワークスタイルという視点でも非常に興味深い。

なお、この一連の記事は反響が大きかったようで、今では漫画作りにフォーカスした専門サイト Making Comics! http://www.makingcomics.com/ ができるまでになっている。

■ ■ 問題は集客 ■ ■

さて、このようにWeb漫画では個人が自前でサイトを設ける流れが強くなっているのだが、自由度が高い反面、集客はしにくくなった。

Web漫画専用ホスティングを利用しなくなれば、当然そのコミュニティ機能も利用できなくなる。ランキングやポータルは、従来ほど未知の読者を呼び込む力がない。

なら、それに変わる集客手段はないか…口コミで読者を引っ張ってきてくれるような…という話になると出て来るのは当然SNS。Web漫画においてもTwitterやFacebookは今や非常に重要なツールになっている。

ただ、友人・知人の延長にとどまらず、まったく「未知の読者」を開拓したいという要望もあるわけで、雑誌的な集合体なのか、ポータルなのか、コミュニティなのか、…とにかくそういったものを再び作ろうとする動きも見られる。

やや大きな勢力になってきているのが ink http://inkoutbreak.com/
気に入った漫画をフォロー/ブロックして、個人向けにカスタマイズできるポータル的サイト。似た系統の漫画のサジェスチョンや投票機能がある。ただ、従来のポータルにも同様の機能はあったし、どこか昔ながらのWebリングを思わせたりで、はたしてどこまで支持を広げられるか。

他には、雑誌的な感じだと http://www.txcomics.com/ 、サーバースペースの提供とセットになっている http://www.rampagenetwork.com/ 、別所でも紹介しているが多言語を売りにした http://www.amilova.com/en/ などなど。百家争鳴の様相を呈している。

■ ■ 海外Web漫画の探し方 ■ ■

長々と海外Web漫画事情を書いてきた。では、このような混沌の時代に、どのようにして好みの海外Web漫画を探せばよいのだろうか。・・・これがいたって当たり前の方法しかなくって、

まずはポータルなり紹介記事なりを頼って、とにかく海外Web漫画を何作か読んでみる。
 ↓
気に入った作品があれば、そのサイトのリンクページを見てみる。作者が推薦するWeb漫画なので、感性の合う漫画である可能性が高い。
 ↓
リンク先の作品を気に入ったら、そこのリンクページを見てみる。以下、芋づる式に繰り返し…

…日本でのWeb漫画探しと同様ですな。
さらに開拓を進めたいなら、レビュー・サイトを覗いてみるのもよい。日本に比べてレビューをするところは多く、”Webcomic Review”あたりで検索すれば、それらしいところがいくつも出て来る → https://www.google.com/search?sourceid=Mozilla-search&hl=en&q=Webcomic+Review&btnG=Google%20Search
…が、正直読むのが大変なので、よほど飢えてでもいない限り、ここまでする必要はないだろう。

・・・さて、長々と文字ばかりなうえ、最後もパッとしない話になったが、当世海外Web漫画事情、これにて一旦お開きに。

■ ■ オススメ ■ ■

定番作品の中から、個人的に特にオススメしたい作品を。

■ ■ 良作、佳品 (1) ■ ■

こうやって並べてみると、いろんな漫画があるもんだな、と改めて。

■ ■ 当世海外Web漫画事情 (1) ■ ■

日本のWeb漫画サイトを探すとき、まず思いつくのはランキングサイトや検索/リンク集サイト。英語圏のWeb漫画でも、これに類したものはある。

…と、ここまで紹介しておいて何だが、このようなランキング/ポータル系のサイトはいずれも、かつての勢いをなくした感がある。 “OnlineComics.net” なぞ、一時期は「すべてがここで間に合う」くらいの勢いだったのが、上に記したように急激に使い物にならなくなった。

それと前後するように台頭し始めたのが、「Web漫画専用のホスティングサービス」。すなわち、漫画を描き、その画像をアップロードするだけでWeb漫画サイトができちゃう…というコンセプトのサービスだ。

…この種のサービス、要はブログの漫画版といった感じなのだが、そこそこ使いやすいインターフェイスのサイトがあまり苦労せずできあがるのがいいところ。前ページや次ページのナビゲーション、総目次などなどを自動的に作成してくれるので、描き手はサイト設計に悩まず、漫画の中身だけに集中できる。

また、登録されている漫画の中から注目の漫画をピックアップしたり、人気漫画(簡易ランキング)がわかったりと、コミュニティとしての魅力もある。トップページに更新情報が掲載されるので、新規読者の開拓も多少は期待できる。
…この辺り、日本のサイトだと週刊ワロスや、(サーバースペースの付いた)新都社といった感じが近いだろうか。

一方でWeb漫画専用ホスティングサービスには、広告が入ったり、サイトデザインに制限があったり、読者獲得に広がりを欠きがちといったデメリットもある。
また、読み手にとって残念な点は、玉石混淆で圧倒的に石の方が多いこと。参入障壁が低いことから独特な感性の作品が紛れ込み、思いがけない拾いものをすることもたまにはあるのだけど。

…ただ最近は、管理しやすく読みやすいWeb漫画サイトを構築することが簡単になり、この辺の事情も変わりつつある…のだけど、そのあたりは「当世海外Web漫画事情 (2)」にて。

■ ■ 良作、佳品 (2) ■ ■

■ ■ 日本語で読める海外Web漫画 ■ ■

ここで紹介した海外Web漫画の日本語版が公開される…ということが、短い間に2回も続いて、いやあもう嬉しい限り。せっかくの機会なので、「日本語で読める海外Web漫画」というくくりで、いくつかご紹介いたしましょう。

ちなみに、このまとめで既に紹介済みの、最近日本語版が公開されたWeb漫画とは次の2つです。ぜひご覧あれ。 (※ 紹介文は、「良作・佳品 (1)」にて)

Sin Titulo 日本語版 … http://sintitulo-jpn.sakura.ne.jp/
The WormWorld Saga … http://www.wormworldsaga.com/ (Chapter 1の、日本の国旗をクリック)

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ほかに、このまとめでも紹介した「Megatokyo」にも日本語版がある…のだけど、書籍版のみで、Webでは残念ながら読めない模様。

それと、拙訳の「No Rest for the Wicked」 http://forthewicked.jpn.org/ と「Rice Boy」 http://rice-boy.jpn.org/ も、もちろん日本語で読めるので、未読の方がいらっしゃいましたら是非とも。

■ ■ 定番・老舗 ■ ■

長く続いている老舗や、定評のある作品から、ほんのほんのごく一部だけを。

…上で紹介した漫画は2000年以降の漫画ばかりで、「老舗」とは言ったもののまだまだ新しい。Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_webcomics によると、ネットで展開された最も古い漫画は、1985年の “Witches and Stitches” とのこと。…まだまだ8ビット機が現役だった時代、インターネットではなくCompuServeで公開されていた。

WWW上に公開された漫画ということなら、1993年の “Where the Buffalo Roam” が世界初になるようだ(1991年からUSENETで公開され、1993年にWebに移行)。それに少し遅れるが同じく1993年に “Doctor Fun” も公開されている。

古くから続いている有名なオンライン漫画は他にもたくさんあって、その多くは上のWikipediaから後をたどることができる。興味のある方は一度ご覧あれ。

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